家を解体する際に家具はそのままで大丈夫?
家を解体する際、家具をそのまま残しても問題ないのか迷う方は少なくありません。
解体費用や処分方法、残置物の取り扱いは業者によって対応が異なり、判断を誤ると追加費用が発生することもあります。
本記事では、家具を残すべきかどうかの判断基準や、費用を抑える処分方法、業者に依頼する際の注意点まで詳しく解説します。
○ 家の解体時に家具を残しておくことの可否と追加費用の仕組み
○ 解体工事における家具処分の法的扱いと許可業者の選び方
○ 家具を自分で処分する具体的な手段とコスト比較
○ 家具処分に使える空き家除却補助金と申請時の注意点
家を解体する際、家具はそのまま残していいのか?
基本原則|家具は撤去しておくのが前提
家を解体する場合、家具や家電などの家財道具は原則すべて撤去しておく必要があります。
これは、建築リサイクル法や廃棄物処理法に基づき、残された家財が「産業廃棄物」として扱われ、解体業者側で処理せざるを得ないためです。
解体工事は、建物だけでなく内部に残された物も対象になるため、処分コストが増加し、最終的な解体費用が高くなる原因となります。
家具をそのままにしておくと費用面で損をする可能性が高いため、施主自身で可能な範囲の撤去を行うことが、コストを抑えるうえでも基本方針となります。
家具を残したままにできる例外ケースとは
状況によっては、家具を残したまま解体することが可能な場合もあります。
たとえば木製の家具や金属製の棚など、建物の解体資材と同様に扱えるものは、業者によっては追加費用なしで解体廃材と一緒に処分できることがあります。
具体的には、木くずや金属くずとして再資源化できる場合に限り、産業廃棄物としての処分費を抑えることができます。
ただし、ガラス製品や家電、布製品などは例外に該当しないため、必ず解体業者に事前相談し、処分対象の明確化を行うことが重要です。
解体業者ごとの対応方針に注意しよう
家具の残置に対する対応方針は、解体業者によって大きく異なります。
なぜなら、一般廃棄物や特定品目(冷蔵庫や洗濯機など)の処分許可を有していない業者も多く、対応できる範囲に制限があるからです。
中には不用品回収や残置物撤去の許可を持ち、法令に則った処分ができる業者も存在します。こうした業者に依頼すれば、残すもの・撤去するものの判断を含めて一括対応が可能です。
業者選定の段階で「家具や家財の扱い方」について明確な説明があるかどうかをチェックすることが、解体工事のトラブル防止に直結します。
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家具を残した場合にかかる追加費用とその仕組み
家具は産業廃棄物扱いで処分費が高額になる
家具を残したまま解体を依頼すると、追加で高額な処分費がかかる可能性があります。
これは、解体業者が残された家具を「産業廃棄物」として扱い、専門の処分ルートで処理しなければならないためです。
廃棄物処理法では、施主が残した家具や家電などは解体資材とは別扱いとなり、自治体のごみ回収とは異なる高コストなルートを経由することになります。
通常の家庭ゴミと違って補助制度が使えず、運搬・処理費用も業者の負担となるため、解体費用全体が大きく上がる要因になります。
コストを抑えるためには、処分可能なものを事前に自分で撤去するのが合理的です。
家具の素材や大きさで費用はどう変わる?
解体時に残した家具の素材やサイズは、処分費用に大きく影響します。
素材が木製か金属製か、サイズが大型か小型かによって、処理にかかる手間や中間処理施設での分別負担が異なるためです。
木製家具は一部の業者で建材と一緒に破砕・処理できる場合があり、比較的安価で済むこともあります。
逆に、ガラス製や布張りソファ、プラスチック混合素材の家具は、分解・分別に手間がかかる上に再利用しづらく、処分コストが割高になります。
家具の処分を業者任せにする場合は、あらかじめ素材や大きさを整理し、処理費の内訳を確認しておくことが重要です。
残置物処分費の目安と見積もり時の確認項目
残した家具にかかる処分費は、業者や地域によって差がありますが、1点あたり3,000円〜10,000円前後が一般的な目安です。
これは、処分対象の種類、数量、搬出の手間などに応じて変動します。
見積もりの際には、処分対象として何が含まれるのか、単価設定がどうなっているかを明確にしておく必要があります。
契約後に「追加費用が発生する」といったトラブルを避けるためにも、現地調査時に残置物のリストを提示し、費用がどこまでに含まれるのかを詳細に確認することが求められます。
特に、混載ごみや処理困難物(スプレー缶、リサイクル家電など)は別途費用になるため注意が必要です。
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家具を自分で処分する具体的な方法
自治体の粗大ごみ回収サービスを活用する
家具を安く処分したい場合は、自治体の粗大ごみ回収サービスを利用するのが最も現実的です。
行政が運営するため信頼性が高く、費用も数百円〜数千円程度に抑えられます。
実際に処分するには、回収センターに連絡し、粗大ごみ処理券を購入して家具に貼り、指定日に自宅前などの所定場所に出すだけで完了します。
収集日は予約制で数日〜1週間ほど待つこともあるため、解体スケジュールに余裕がある段階から準備するのがポイントです。
解体費用を抑えたい方には、自治体回収が非常に有効な選択肢となります。
リサイクルショップやフリマアプリで売る
家具の状態が良ければ、リサイクルショップやフリマアプリを利用して売却する方法が有効です。
処分ではなく「売る」ことで費用がかからないどころか、収入を得られる可能性もあります。
たとえばブランド家具やデザイン性のあるテーブルなどは、想像以上の価格で買い取られるケースも少なくありません。
フリマアプリであれば、スマホから簡単に出品できる点も魅力ですが、梱包や発送の手間がかかる点は注意が必要です。
家具がきれいな状態で、時間に余裕があるなら、売却による処分が経済的にも合理的です。
不用品回収・出張買取業者に依頼するメリット
自分で運べない大型家具がある場合は、不用品回収や出張買取業者への依頼が便利です。
これらの業者は自宅まで来てくれるため、運搬や分解といった手間が不要になります。
状態の良い家具であれば買取対象となる場合もあり、逆に状態が悪い場合でも回収・処分まで一括で対応してもらえます。
費用は1点あたり数千円〜1万円程度が相場ですが、複数品まとめて依頼すれば割引が適用されることもあります。
体力的・時間的な負担を避けたい方には、安心して任せられる手段として検討する価値があります。
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解体業者に家具処分を依頼する場合の注意点
事前に処分対象を明示し追加費用を防ぐ
解体業者に家具処分を依頼する際は、どの家具を残すのかを事前に明示しておくことが重要です。
理由は、見積もりの段階で処分対象が明確になっていないと、解体後に「追加費用」が発生するケースが多いためです。
解体費用は建物構造だけでなく、残置物の量や内容によっても大きく左右されます。
事前に家具や家電の写真を用意し、業者と確認しながら処分の対象範囲を明確にしておくことで、工事開始後のトラブルや予期せぬ請求を防げます。
費用の透明性を保つには、事前説明と確認が欠かせません。
許可のない業者に処分させるリスクとは
家具などの不用品を処分する際、解体業者が「一般廃棄物収集運搬許可」や「産業廃棄物処理業の許可」を持っているかは必ず確認するべきです。
許可のない業者に処分を依頼すると、違法な不法投棄や適切でない処理が行われ、施主側も廃掃法違反で責任を問われる可能性があります。
実際には、許可を持たない業者が別業者に委託して処分費を上乗せするケースも存在します。
信頼できる業者かどうかを判断するには、契約前に許可番号の提示や自治体登録の有無を確認し、法令遵守が徹底されているかをチェックすることが不可欠です。
家具の買取・貸倉庫への移送サービスも活用
家具をすべて処分するのではなく、状態の良いものは買取サービスや貸倉庫への移送を活用するのも有効な選択肢です。
解体業者のなかには、提携のリサイクル業者と連携して買取査定を行い、処分費用の一部を相殺してくれるサービスを提供している場合があります。
思い入れのある家具や再利用可能な家電については、解体前に一時保管できる貸倉庫へ移送する対応も可能です。
業者選定の際に、こうした付加サービスがあるかを確認することで、経済的・心理的な負担を減らしながら効率的な解体計画を立てることができます。
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家具の処分費用を抑える補助金・制度の活用法
自治体による空き家除却補助金の条件と内容
家具の処分費用を抑えるには、自治体が実施している空き家除却補助金の活用が有効です。
多くの自治体では、老朽化した空き家の解体にかかる費用の一部を補助しており、建物の撤去とあわせて残置物処分費も対象となる場合があります。
具体的には、昭和56年以前に建築された木造住宅で、居住実態がないなど一定の要件を満たせば、補助金額として50万円〜100万円が交付されるケースもあります。
補助対象や上限額は地域により異なるため、解体前に役所や自治体のホームページで制度内容を確認することが大切です。
残置物処分も対象となるケースの具体例
補助金のなかには、建物そのものの解体費用だけでなく、家具や家電など残置物の処分費まで含めて申請できる制度も存在します。
老朽空き家対策や地域の景観保全を目的とした制度では、建物内外の不用品の撤去が解体前提とされており、それにかかる費用を補助の対象としています。
実際には、家財道具の処分費が全体の2割〜3割を占めることもあるため、これが補助対象に含まれると、自己負担を大幅に軽減できます。
事例としては、家具・家電・生活ゴミを含む一式の撤去が補助対象と認定された例が多く報告されており、自治体との事前協議が非常に重要になります。
申請時に注意すべき書類・スケジュール
補助金を利用する際は、必要書類の不備や申請の遅れにより支給されないケースもあるため、注意が必要です。
多くの自治体では、解体前に申請を済ませておくことが条件となっており、契約書や建物登記簿、現況写真、工事見積書、申請書類一式を期限内に提出する必要があります。
受付期間が年度ごとに限られていたり、予算上限に達した時点で終了する制度もあるため、工事を検討し始めた時点で、早めに問い合わせ・準備を始めることが肝要です。
書類の整備とスケジュール管理は、補助金を確実に受け取るために避けては通れないポイントです。
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まとめ|家具を残す判断と処分方法の最適解
家具を残す・残さない判断基準とは?
家の解体時に家具を残すかどうかは、状態・価値・処分コストの3点をもとに判断することが重要です。
処分費が高額になる家具を無理に残すより、必要に応じて自分で処分した方が費用を抑えられる場合があります。
価値のある家具であればリサイクルショップや出張買取で現金化する選択肢もあり、無理に廃棄する必要はありません。
使用予定のある家具や再利用したいものは一時的に保管する方法も選べます。
家具ごとの状況に応じて判断することが、コストと後悔を抑えるための基本となります。
手間・費用・リスクを総合的に考えることが重要
家具をそのままにして解体するかどうかを決める際は、手間・費用・法的リスクのバランスを総合的に判断することが必要です。
業者に任せれば手間は減るものの、処分費が高くなる可能性があり、無許可業者に依頼すれば廃棄物処理法違反のリスクも生じます。
自分で処分する選択肢は手間がかかりますが、費用を抑え、不要なトラブルを回避できます。
合理的に判断するには、見積もり段階で業者に家具の扱いを確認し、補助金や買取制度などの選択肢も含めて全体像を把握することが大切です。
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